第9章 吐露Ⅰ
[いっぱい泣いちゃったね………]
[うん〜…そうだねぇ…]
こんなに泣くなんて思わなかったそのせいかお互い瞼が赤い
でもとてもすっきりして爽快な気分だ
それだけ私自身溜まっていたということなんだろう
吐き出せる人なんて中々いないから余計にそう思うのかもしれない
最近はそういった話をする機会もなかったから
[本当にありがとう……]
[過去の話を聞いてくれて…]
私は感謝の気持ちを伝える
聞いていて気持ちのいいものじゃなかったはずなのに
それに受け入れてくれてありがたかった
[ちゃん…そんなことないよ…]
[ずっと辛かったよね…]
条くんは手を頬に添えて言ってくれる
優しい
こんな忌みものみたいな私を嫌がりにもせず真っ直ぐに向き合ってくれて
本当に暖かい人だ
そう感じ私はいつの間にか条くんの手を重ねる
[ありがとう……]
ニコッと微笑みお礼を言うと
[っ…ちゃん………]
[俺…………は……]
条くんが言い淀んでいる
どうしたんだろうか
[条くん………??]
なんだろうと思い耳を傾けようとした時だった