第9章 吐露Ⅰ
扉からこんこんと音がする
(え……だれ……?)
私がそう思っていたら
[〜!入る…ぞ……]
おじいちゃんがドアを開けてきた
[え…………あ…………]
間が悪かった いや悪すぎる
だって
[……………………]
(や、やばい………これは………)
シーンと静まり返るそれと同時におじいちゃんの顔が凄いことになっていた
まるで能面の鬼のようないやもう既に百面相に早変わりしている
無理もない
今私たちは抱きあっているしそれに顔も近くてはたからみると恋人の行為だと思われてもおかしくなかった
[え……と…お、おじいちゃん……]
[そ…その…これは………]
[じ…じいちゃ………ん……]
私達はすぐさま姿勢を正して正座をした
条くんも同様だ
[あ…あのね……話を……]
(なんとか聞いてもらわないと…)
すぐさま事情を説明しようと急ぐもののどうやら時すでに遅しだったようだ
声を震わせながら
[は………………]
[まだ嫁にはやらんぞぉぉぉぉ!!!!]
[お…おじいちゃん……!!!]
烈火のごとく怒り狂っていた
条くんの胸を掴んで叫びまくっている
色々と突っ込みたいことはあったけどなんとかせねば
[お…おじい…]
[あらあら〜どうしたのぉ]
おじいちゃんの怒鳴り声が聞こえたからか今度はおばあちゃんまで乱入してきてしまいてんやわんや
(も…もう……何がなんだが……)
(とりあえず落ち着かせないと………!)
私はこの事態を抑えるのに精一杯で結局条くんが言おうとしたことはわからずじまいだった