第9章 吐露Ⅰ
だが声をかける前に気づくべきだった
私がラフな格好でお風呂上がりだということに
(あやばい)
いつもは薄い化粧をしているけど今はすっぴんだし
服も仕事の時はきっちりしてるけどスウェットに短パンの姿だった
(……ゆ、油断していた……)
女子にあるまじき格好だ
可愛らしさの欠片もないせめて着替えてから行くべきだった
だがもう時既に遅し
私が声をかけたことに祖父母も気づいたようで
まさかいるとは思わずびっくりしていた様子だった
そこから話をきくと条くんからりんごをもらったらしく今からお茶をご馳走するらしい
(じゃあ私は部屋に…)
そう思っていたのだが
いつの間にかとんとん拍子に話が進み最終的に二人で食べるかという話にすり替わっていた
何故
話がついたのかと思ったのかじいちゃんは用事思い出したらしくとんでもない速さで行っちゃうしおばあちゃんは強引に私の部屋で飲めばということになってきている
(はえ?無理無理…!)
それだけは断固阻止だ
ありとあらゆる理由を言っても聞かないし
本当に部屋が汚いし違う所がいいと言うも
[あら〜大丈夫よそんなに汚くないもの]
根拠がないそれに親指ぐっと立てているし
何その自信は
突っ込みたくて仕方ないがどうしてその結論に至るのかが意味がわからなすぎる
(これは…もうだめだ…)
反論しようにもばあちゃんはこうなると何も聞かなくなる
結局根負けしてしまい私は部屋に戻ってある程度整理し条くんを部屋に上げたのである