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太陽が咲くまで[前編]

第9章 吐露Ⅰ


私がちょうどお風呂から上がって浴室から出たところだった
髪は後で乾かせばいいやと思っていたし部屋に帰ろうとしていたのだけど

(ん…?声がする)


誰か来たのかわからないけど玄関がガヤガしている
興味本位で何事かと思い覗くと


(え)


(どうして……)



まさか条くんがいるなんて



会うのは数週間ぶりくらいになる



元気そうだったし怪我もしてないようだ


(よかった……)


あの後のことがよくわかっていなかったから安堵したものの私は条くんに会おうとは思えなかった
何でなのかは自分でも理解がでなくて

とにかく人に会いたくなかったのかもしれない
なのに条くんのことは目を追っていた

それとどうしてなのか

彼を見ていると襲われそうになった時助けてくれたことを思い出す


たくましい腕で私を抱きしめてくれて


優しい言葉をかけてくれたあの時私はどれだけ救われたんだろう


そうずっと抱きしめてほしくてたまらないほど彼に溺れていたかった


(え……私今なんて………)

(抱きしめてほしいなんて……)

はっとわれに返る 恥ずかしい
自分でもよくわからないこの感情に驚きもありつどうしてそう思うのかが理解できないけれど


体が熱くて狂ってしまいそう
今はこの熱を治めるのに精一杯だった


(まずは…落ち着け…!落ち着け…)


落ち着くまで深呼吸を繰り返す
その御蔭なのか大分冷静になった気がする

(よし………)


気持ちを新たにした後話していいか迷ったけど私は無意識に口を開いてしまっていた
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