第8章 ※過去Ⅰ
[ほ〜ら隠すな隠すな]
[つーか手邪魔]
[てか傷すげえな笑]
[お前らがやったんだろ笑]
[震えてんな笑]
スマホを向けて動画を撮られているようだ
滑稽な格好からかわからないが下着姿を見てにまにまとしている
気持ち悪い
怖い
震えが止まらない
誰も助けてくれない
その事実に打ちのめされたからか私の心は崩れ欠け始めていた
それに追い打ちをかけてくるようにとんでもない言葉が発せられる
[なぁ…犯すか?]
[はぁ…!?お前まじかよ]
[え〜それってぇ…ちょっと…]
[撮れ高あんの〜?]
[あんだろ一応]
(今……犯すって…………)
ますます意味がわからない
そう思っている間にジリジリ近寄ってくる
[い…嫌で………す……や、やめ……]
[泣いてんの〜笑]
[黙ってろよ…!]
必死で辞めてと訴えるも私は男の膝の下に組み敷かれていた
[きゃ………]
[へへへ…さーてと]
下着に手を触れられて剥がされる
全てが露わになっていた
[い…………あ………]
[さ〜て]
男がベルトに手をかける
カチャカチャと気味悪く響いて
ああああああ
いやいやいやいやいやいや
ああもう死にたい
こんなの不公平だ
そこからプツっと記憶が途絶えた