第8章 ※過去Ⅰ
[おいおい笑へばんなよ]
[…っつ………あぐ…]
[もう終わりにしたら〜]
[そろそろ行かないとやばいしぃ]
[お、そうすっか]
下品な笑いをしながら退散して行く
その姿が見えなくなったことを確認すると
[………は、はぁ……]
(いっ…………た…)
あまりの痛みに座りこんでしまう
今度は人に見られない場所で殴られたり蹴られた暴力を受けることが徐々に増えてきた
先生たちにばれないようになのだろう
いや一部の先生も気づいていたけど何も言わなかっただけ
涼しい顔をして見ないふりばかり
もちろんクラスのひとたちも同じ
私に関わると同じ目に遭ってターゲットにされるのが落ちだから
先生に言っても無駄なので口を閉じるしかない
(でも…)
恐れていたことに父さん、お母さんはなんだかおかしいと気づき始めている節がある
ふと帰った時顔に絆創膏をしていたものだから確信させてしまったらしく我慢せず言ってと言われたけど
私はいじめられていると言わなかった
いや言えない そんなこと
転んだとか適当なことをいってその場はごまかすしかない
悟られないように必死だったことを覚えている
私がそう言うならと下がってはくれたけど納得はしている様子ではない
(ごめんね お父さんお母さん)
巻き込みたくないそれに迷惑をかけたくない
何か言われようとも私は話してはいけないと思っていた
それが浅はかだったことも知らずに