第44章 ※悲哀
[着替えは用意しとくから気にせず入れ]
[何かあったら言えよ]
浴室まで案内されてもらい使い方はうちのものと似ている
手際がよくてうちの人材に欲しいくらいだ
[あ、ありがとう…]
[…まずは温まれ いいな]
[…はい]
返事を返すとゆっくり扉を閉めてくれる
(優しいな…)
梶さんには色々としてもらってばかりだ
またお礼をしなくては
(お言葉に甘えて暖まろ…)
スルッとシャツを脱ぎ始める
雨に打たれたからか私が思っていたよりもずっしりと重い どうやらかなり濡れていたようだ
それさえも感じないほど駆けていたのか 私は
(…………はぁ)
考えてもしょうがない
"彼は"そう決めてしまったのだから
あの歪な信仰を体現すると
色のない眼を宿してただ獅子頭連のために
私はただ許せなかった
"大切な仲間"を蹴落としてまで強くなるのは間違っているから
(…考えても仕方ない)
(はやく脱ごう)
さっさと濡れた衣服に手をかけ浴室に入る
シャワーヘッドをとりお湯を出し体に浴びせると
(気持ちいい…)
じんわりと体に染み渡る温度
体に所々当ててると
(あ…)
今更ながら気づいてしまった
太腿から白濁とした液が流れている
これは
(条くんの……)
まさか中に出すなんて思わなかった
(……ってや…)
あの時を思い出したのか体が疼く
私は乱暴にされたにも関わらず喜んでいたのだ
もっと奥についてほしい
好きなようにしてなんて
(……まずは綺麗にしないと)
幾らピルを飲んでいても中に残っていればそれだけ可能性は高い
掻き出さなければそう思い手を伸ばす