第43章 ※現実
[……何…それ……]
[何って…それが獅子頭連の方針になったんだよぉ]
[丁子の意見だしねぇ]
[……ちゃんには別に関係ないと思うけど]
(…何言ってるの…?)
関係ないって何?
さっきから
ずるい
こんな時に"その言葉"を使うなんて
[………何……で]
[ん?]
ぎゅっとスカジャンの裾を引っ張り
[……っ…それは…条くんの意見なの…?]
[…まぁ俺も賛成しているしねぇ…別に…]
(違う)
(そんなことない)
(……だったらどうして)
ヘラヘラと平気そうにしている癖に
辛くて今にも吐き出したくてたまらない顔になっているの
[嘘つかないで……!]
[こんなの間違っている……]
[条くんもそう思ってるんでしょ!?]
こんなに声を荒げるのは久々だ
信じたかった
何か事情があるんだって
きっと連絡を取らないのも会わないのも私を守るためなんだって
"嘘"だと言ってほしい
獅子頭連に弱いやつは必要ないって
彼にとっては仲間は"大切"なものなのだから
[……………………]
[……ねぇ]
[……………………]
[条くん……!]
信じたいのに信じられなくなってしまう
どうして黙りこくっているの
そんなに
(信用できないの 私のこと)
(嫌なの 私が)
様々な憶測が頭に広がる
確証もないのに
この時の私は異様に焦っていた
[条く]
[………五月蝿い]
(え)
そんな言葉を吐かれるなんて初めてだ
彼の神経を逆撫でしていたことにも気づかずに追い詰めていたのだろう
[お前に獅子頭連の何がわかる]
壁際に追い詰められ逃げる間もなく壁に手を付けられる
罠にでも引っかかったように
[きゃ……!]
[……その口閉じればいいのにぃ]