第42章 戦慄
鰐島さんと別れた数日後悩んだ末答えがやっと出た
やっばり会って話すしかないって
この時間だと確か条くん達はオリにいた記憶がある
行ってみるべきだと思いコソコソと家を出る
[………よし]
おばあちゃん、おじいちゃんにも見つからずに出れた
けど用心しなければ
バレないようにフードを深く被る
鰐島さんにも言われたし危険なことはしないつもりだけれど
(………ごめんなさい)
(……条くん)
あの日話を聞いてあげられなくてごめんなさい
寄り添ってあげていればこんな事にはならなかったはずなのに
今更にも程があるのだろうが
(………ううん今からでも)
変えられるはず
淡い期待でしかないがそれでも何もしないよりかはましだ
話に聞くと彼は前みたいな優しさはなくなり狂気を纏った雰囲気をしているという話を聞いた
(…違う)
心の奥底に閉まっただけであって根底は変わっていない
彼のことだ 我慢している
太陽が暗闇から顔を出すまで耐え続けるつもりなのかもしれない
あまりにも酷だ 彼が壊れてしまう
(嫌…そんなの望んでない…)
考えるだけでも胸がはち切れそう
(…………行かなきゃ)
[…何やってんだ お前]
[ひっ………!]
(だ、誰……?)
行こうとした瞬間後ろから声をかけられたからか心臓がバクバクする
一体誰なのかと恐る恐る振り向くと
[か、梶さん………!?]
飴を囓って気怠そうにしている梶さんだった