第42章 戦慄
[………という訳だ]
[………そんな]
信じられない
けれどそれは真実だ
チームを強くするためとはいえ
(そんなの…)
"間違っている"
(条くん…丁子くん…)
弱いやつは獅子頭連にはいらないなんて
あんな風に言う子じゃない
それに仲間を突き放すなんて以ての外
彼らは許さないのに
目の前のことを見てないから信じられない気持ちで一杯だけど彼が言うなら確実
(………どうして)
夢だと思いたい
けれど他でもない鰐島さんから聞いたのだ
これは現実なのだと
(………ああ)
思ったよりも手の震えが止まらない
落ち着かないといけないのに
[…………]
[…わ!…鰐島さ…]
[すまん…これで震えが収まればいいんだが…]
[い、いえ……]
(あ、暖かい……)
ふいに抱きしめられて呆然としたものの体温の温かさのおかげなのか徐々に収まってくる
ぐいっと腕に力を込められ
[……俺はもう辞めた身だ]
[だから何も言えない]
[……さん]
[もう関わるべきじゃあないんじゃないか?]
[………それは]
確かに言われればそうなのだろう
けどこの話を聞いてもなお違うと感じている
条くんは1人で闘っているのなら私は
それを支えなきゃいけない 訂正しなきゃいけないって
(だと一体どうするの…)
頭が靄々として晴れない
難しい表情をしてくれたのを察してくれたのか
[………余計なこと言ったな]
そう言い体から離れる
ぽんっと頭に触れると
[……けどどうするのかはあんただ]
[まぁ…危ないことだけは辞めてくれ]