第40章 的中
[ちゃん…本当に大丈夫ね?]
[ほとんど家にいますし…大丈夫です藤川さん]
[久志さん達が明日までいないとはいえ1人なのよね…]
[何かあったら連絡しますし…!本当ですから…!]
[本当なのね…?すぐ連絡してね!]
[はい…!ありがとうございます]
[それじゃお疲れ様でした〜]
[はい〜お疲れ様です!]
(…嘘ついちゃったな…)
ごめんなさい藤川さん
確かに家にいることにはいるのだがこれから条くんに会いに行かなきゃいけないから
数時間からスマホでメッセを送っても既読がつかないし電話をしても
(………出ない)
気持ち悪いほど応答がないのだ
いつもなら遅くても折り返ししてくれるのに
(…………本降りだ)
家から見ても雨の勢いがずいぶん強くなってきている
この様子じゃ外にいたらずぶ濡れだろう
もしかすると彼は濡れる前に家に帰っているということもあり得そうだけど
(う、う〜ん…)
(でも行ってみよ…)
何かが取り返しがつかなくなるんじゃないかと行かなきゃいけない気がしてしまって
ざわざわとその予感はひどくなる一方だ
(それに…)
いなかったら電話すればいい話だもの
さっとブレーカーを羽織り玄関の戸を開けると
[……………ん?]
(あれ……?)
家の前に突っ立っている姿が見える
顔が俯いて雨で見えづらいけど
あれは間違いなく
[じ、条くん…………?]