第40章 的中
[条くん……って濡れてるじゃない!]
[…………どうして…]
急いで彼のもとに駆け寄る
こんな雨の中どうして傘も差さずに来たんだろう
(……………条くん…?)
生気がない面持ちだ
こんな表情の彼を見るのは初めて
やっぱり"何か"あったということだろうか
[どうしたの…?]
[…………]
聞いてみるも顔はずっと俯いたままで喋ろうともしない
[[…………………]]
(…一言も話さない…)
(でも…このままいても風邪引くし…)
何も言わないのは気にかかるがここにいて風邪を引いてしまう
どんな形であれオリに行く前に会えたのだかえって手間が省けたというもの
[とりあえず中に入ろう…!…ね?]
[……………]
返事がない
(だけど…)
[…ごめん!]
強引なのはわかっているが彼の手を引っ張り玄関へ連れて行く
(冷たい…)
私が思ったよりも長く雨に当たっていたのか氷のように手が冷えている
とりあえずお風呂にでも入らせて着替えないと
[………と…]
それが頭でいっぱいで戸を閉めるのを忘れそうになる
慌てて戸に手をかける
(………ふぅ)
これでよしと安心して振り向こうとした時
(え………?)
[……んう!]
彼の大きな手が私の頭をぐいっと引き込み唇を奪われていた