第39章 不穏
[………丁子くん?]
[丁子くん……?]
[ちょ〜じ?]
[……あ!え!お姉ちゃん…?亀ちゃん…?]
[何か言った?]
[あ、えーと…お菓子食べる?]
[うん!食べる!]
[よかったねぇちょ〜じぃ]
[うん!おいしい!]
(………大丈夫なのかな…)
縁側で棒のお菓子を美味しそうに頬張ってはいるもののさっきから上の空だ
頭取がきまって家に駆けてきた時は
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[俺頭取なったよ!お姉ちゃん!みんな!]
[あらあら〜血だらけよ丁子ちゃん]
[わ…わかったんだけど、け、怪我を……]
[はぁ…丁子…!おまえ…血だらけじゃねぇか]
[ちょ〜じぃ…いい加減手当しようよお〜…]
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あんなに元気でとても嬉しそうにしてたのに今では見る影がない
小さな変化だからか皆は気づいていないようでいつも通りに接している
彼の様子がいまいち上手く説明できないが
(虚ろだ)
光が失われそうな危うい感じ
私にも似た経験があるからピンと来てしまう
(…もしかして)
(……悩んでいる?)
初めてだ 丁子くんが悩んでいるなんて
条くんにも話せないほど重いものなのだろうか
それとも
(…………いや)
分からない
聞いてみないことには
こんな私でも話せることがあるのなら
手を伸ばしたい
助けたい
[ちょう……]
そう思い声をかけてみたものの
[……あっ!俺そろそろ帰るねっ!]
[え…?もう行くのぉ?]
[うん!じゃっ!]
[え…あ…ちょ……!]
彼は颯爽と駆けてしまった