第38章 番外編③ 贈り物
[十亀条Side]
きっとちゃんもプレゼントを渡す時ドキドキでたまらなかっただろう
俺も一緒だった
けど渡すタイミングなら今だと感じていたから
(……大丈夫かな)
心臓がバクバクしているこんなに鼓動が早まるのも久々かもしれない
すると彼女は遠慮しがちに
[………その…貰っていい…?]]
貰っていいだなんてそんなの当然だ
"君"のために選んだのだから
リボンを解く手が震えているも中身を見るとと眩いばかりの笑顔で
[嬉しい………!]
(ああ)
太陽のように輝いている
眩しいけれど目を背くことは一切ない
ずっと見ていたい俺だけのもの
(好きだなぁ)
俺もだよぉとか言おうとしたけど急に抱きついてくるものだから言いづらかったがそう言ってもらえてホッとして胸が幸福感で一杯になる
(……まあ)
正直言うと自分の瞳の色を入れたのは牽制の意味もあるけれどそれは秘密にしておこう
(……そうだぁ)
せっかくだしつけてみたくなって彼女の髪に触れて留めてみると
(…似合う)
思ったとおりだ 想像以上に合っている
彼女の可愛らしい髪型にピッタリ まるでちゃんのために作られたみたいだ
(…………幸せだぁ)
ちゃんと付き合ってこんな風に贈り物をしてありきたりな日々を過ごすことができて
彼女にも分かってもらいたかった
俺はこんなにも君に感謝しているってことを
贈り物にこじつけて言ってしまったが伝わっているといいなぁ
ただふいっとそう言葉に出してしまっただけだった
(ん?)
泣かせる事を言うつもりなど断じてない なかったのだが
(え………!?ちゃん!?)
まさか彼女の瞳から雫が落ちてくるとは思わなかった