第38章 番外編③ 贈り物
[十亀条Side]
(えぇ……)
(嘘ぉ)
(夢じゃないよねぇ…?)
ちゃんから呼び出してくるから何事かと思い急いで駆け出してみればプレゼントだと言う
贈り物をくれるとは全然思わなかったし俺もそうしたいと考えていたのだが
(まさかぁ)
俺とちゃんの考えていることが一緒だったとは二重の意味で驚きだった
(嬉しい)
歓喜に震えてどうにかなりそうだ
俺の可愛い恋人が考えて選んでくれたもの
せっかくプレゼントしてくれたのだ開けねばもったいないと中身を見ると
(作務衣だぁ)
俺に似合うからと2着も用意してくれたようだ
試着してみたけどゆるりとして着やすい
常連さんにも良いぞ着てみろとかと勧められていたがこういう事だったのか
普段Tシャツとスウェットとかしか着てないから新鮮みもありつつ自分にしっくりときている
(…すごいいいなぁ)
まるで俺向けの服みたい
ちゃんもそう思ってくれたらしくすごく饒舌だ
(嬉しいなぁ…)
恋焦がれていた人がこんなにも愛おしく言ってくれてくすぐったくもあり恥ずかしさでどうにかなりそうになり思わず手で覆う 赤みを隠せてはいないだろうが
(落ち着けぇ…落ち着け…)
このままだと悪い意味で襲ってしまいそうだ
ずっとキスしてしまいたくなる
(俺……しっかりしろ)
いい機会をうやむやにしてしまいそうだしそれは流石にまずい
(……よし)
このチャンスを無駄にしたくない
だからこそ俺はちゃんにバレッタを渡したのだ