第38章 番外編③ 贈り物
[え……これ…]
[俺も何かちゃんに贈りたくてぇ…]
[渡すタイミングなかったからズルズルと長くなっちゃたけどぉ]
[プレゼントなんだぁ]
開いた口が全く塞がらないことこの上ない
頭を整理するとどうやら私と条くんは同じ事を考えていたらしいということなのだろう
[…大したものじゃないからぁがっかりするかもだけどぉ開けてみてぇ]
[そ…そんなことないよっ!]
同じだ
彼もきっとこういう事言われるかと思って緊張していたに違いない
まるで先程の私のように考えていたことだろう 彼も優しくて思いやりがあるから
けれど私も条くんと同じ
[………その…貰っていい…?]
彼からもらうものは何でも嬉しい
がっかりなんてそんな事断じてないから
[…!もちろんだよぉ]
少し手が震えながら彼から受け取る
小さめの淡い黄色の箱に緑のリボン
中身は一体なんだろうかワクワクして仕方ない
リボンをほどいて恐る恐る開けてみると
[綺麗………]
彼の瞳の色"深碧"を彷彿とさせるリボンの色
センターパーツにはクリスタルシルバーを配置したバレッタだった
[わぁ……こんな素敵なものどこで…]
[たまたまなんだぁ…ふらっと見てみたら目に入ってさぁ]
[ちゃんに似合うって]
ああ全身が喜びで震えている
[嬉しい……!]
[わっ………ちゃん…!]
勢いあまって彼の胸に飛び込む
嬉しすぎて気が動転しているみたい
幸せすぎてどうにかなりそうってきっとこういう事を言うのだろう
好きな人からの初めてのプレゼント
そんなの
[大事にする…!]
[一生の宝物だよ……!]
当然の答えを口にしていた