第38章 番外編③ 贈り物
[………どう?]
[似合うよ…!条くん!]
紺色の作務衣を着てくれたのだけど本当に
(とても似合っている)
[色味もいいし…着こなしてて……!]
[それに]
[条くんのためにこの服があるかのような…]
ペラペラと饒舌になってしまい専門家みたいな事言いだしてきちゃった
様になっていてさらに魅力が溢れているからなのだろう
つい
[あ…ご、ごめん…気持ち悪いこと言って]
変なこと言っちゃったのかと罪悪感が湧いてしまい思わず謝るも
[………って…条くん…]
顔を手で覆い隠しているけどどうしたんだろうか
耳が赤いそれに顔も
(え まさか)
[………嬉しい]
[俺すごく気に入った…ありがとぉ]
[大事にするねぇ]
(条くん…)
喜んでくれたんだ
私の考えは杞憂だったみたい あんなに重く考えたのはやりすぎだと感じるほど彼の笑顔は嬉しさに満ちあふれていた
考えていたことと真逆すぎて呆然となるも
(……嬉しい)
[よかった…そう言ってもらえて…]
[気に入ってくれるか不安だったから…]
[ふふ気に入ってるよぉ]
[ちゃんのくれたものは全部好きだよぉ]
[大げさだよ…条くん]
優しいな
そう言ってくれるだけでも送る甲斐はあるというもの
こんなにも喜びを顔に出してくれているのだ
彼にそう言って貰えただけで舞い上がっていたからかいつの間にか条くんの手に小さな箱があることに全く気づかなかった
[……ちゃん]
[ん?どうしたの…条……?]
条くんに呼びかけられてようやく気づく
何これと言う前に
[これ受け取ってくれる?]