第38章 番外編③ 贈り物
[亀ちゃんの欲しいもの〜?]
[わかんないっ!!]
[俺はね〜!駄菓子!]
[…条か…うーん…]
[特に口にはしないな あいつは]
[十亀あいつそんなの聞かねぇな…なぁ鹿沼]
[食べるのは好きだけど欲しいものとかあんまり聞かないよねぇ…]
[ごめんね…さん…]
[そんな…!気にしないで下さい!]
(どうしよ…)
(何も分からなかった…)
銭湯に来た時さりげなく皆に聞いたのはいいものの結局分からずじまいだった
[はぁー…………]
(うう……どうしよ…)
思わずため息が漏れてしまう
気分転換に食糧品を買い物に来たのはいいもの頭にはそればかり浮かんでますます思い悩んでしまっていた
[…?どうしたぁ?ため息なんかついて]
[え…あ…な、何でもないよ]
[荷物重いだろ 少し持ってやらァ]
[いいよ…!おじいちゃ…って…]
勘違いしたおじいちゃんが全部袋を持ってもらった
なんかごめんおじいちゃん
[帰ったぞ〜ばあさん]
[ただいま…ってあれ]
家に着くもシーンと静けさが走る
[ただいま〜……]
[?]
(どこいったんだろ……)
声がしない
いつもだったらお帰りと言ってくれてすぐ迎えてくれるのに
キョロキョロと辺りを見回すも見当たらない
[おばあちゃんー……?]
[あー…奥の部屋にいるかもしれねぇな]
[奥?]
[別に戻ってくんだろ どっこいせ…置いてくるわ]
[わかった…ありがとおじいちゃん]
(奥って……確か?)
無性に気になりさっそく行ってみるとガサガサと物音がする おばあちゃんがここにいるようだ
あまりここには来ないから不気味に感じてしまう
恐る恐る戸を開けてみると
[おばあちゃん…?いた!どこにいたかと思って…!]
[あら]
[作務衣久々に出してみたのよ〜]
[懐かしいわよねこれ]