第37章 祝福
[じゃあねあーしはここで♡♡またね〜]
[うん!椿ちゃんありがと〜]
手を振り椿ちゃんを見送る
お祝いの会は無事終わり家の前まで送ってもらっていたのだ
いつもの事ながらありがたいことだ
(楽しかったなぁ)
ことはちゃん達も沢山お喋りできたし梅宮さん凄い楽しそうにしてたな お土産までもらったし
今度は梶さん達も連れて来るなんて言ってたけど
(ふふ)
不思議と笑みがこぼれてしまう
ホクホクとした気持ちで引き戸をを開けようとすると反対にガラッと開く音がする
Tシャツが眼前に広がる この柄は まさか
[……ってあれ?条くん!]
[あ ちゃんおかえり〜]
見上げてみると条くんだった
彼が来るなんて聞いてなかったからポカンとしてしまう
今日はオリにいるって話してたのに予定が空いたのだろうか
[来てたんだ…!言ってくれればよかったのに…!]
[大丈夫ぅ ただ手伝っただけだし]
[色々重いの持ち上げただけだからぁ]
[あ じいちゃん達は銭湯に戻ったよぉ]
(ええ……!ま、また…)
私が知らないところで手伝うことが増えてきたような気がする 助かることではあるし文句を言える立場ではないのは承知している
ただ条くんだって予定があるのだろうし一言くらい言ってくれてもいいような気がする
私の勝手な気持ちなのは理解しているけど
(う〜ん……)
とにかくこのまま帰すのも申し訳ない
せめてご飯食べてもらいたいと思い
[あ…ありがとう…ご飯は…?]
[大丈夫ぅ 帰ってじいちゃんと食べるから]
[じゃ…]
袋を持って何か急いでいるのか走り去ろうとしている
(え…ええ…)
嫌だ
ふと思いが沸き立ちスカジャンの裾を急いで掴む
[まって……!]
[……ちゃん?]
[……その…少し話さない?]