第37章 祝福
[はい…ラムネどうぞ]
[ありがとぉちゃん]
定位置の縁側に座りキンキンに冷えたラムネを条くんに手渡す
(………あれ?)
彼の手が若干震えている 何かあったのだろうか
(聞いてみようか…)
恐る恐る
[…その…何かあった……?]
顔を覗き込むように言ってみる
すると彼は困ったような表情をしつつ
[え、あ〜そういうのじゃないよぉちゃん]
[そのぉ…]
[?]
どういう事かと首を傾げると
[これ……]
ガサガサと隣で音がするかと思えば先ほど持っていたビニール袋 気づかなかったとは言えかなりの大荷物だ
そのビニール袋に何が入ってたかと思えば
[え…これは………何?]
驚くくらいの野菜やら果物やらお菓子の山だ
こんなにいるのかと思えるほどの量
条くんなら食べ切れそうな気がしないでもないけどこんなには
[気付いたらいっぱい渡されるんだよねぇ食べ物とかさぁ]
[常連さんに?]
[うん、まぁ……]
[その…お祝いで]
ははっとから笑いをしながら言うも納得が行かない
一体誰がなのだろうか
[え…?お祝いって…どなた?]
[あ、あ〜……]
(?どういうこと?)
条くん凄い目が泳いでいる
何故逸らそうとするのも分からないけど全然そう言った話は聞いたことない
仲のいいご近所さんもそう言った話は聞かないし
(う〜ん……?)
全然思いつかない
一体誰なのかともう一歩踏み込もうとすると
彼の頰が薄く桜色に色づきながら
[いや…そのぉ……]
[俺達だよぉ…ちゃん]
[え]