第5章 ※危機Ⅰ
[っ…………はなし……!]
声を上げようとすると手で口を塞がれる
動作が早い
かなり手慣れているような手つきだ
[大人しくしてろ]
その一言で足がすくんだ
ただでさえ震えが止まらかったのに
[へへ……黙ってりゃ痛いようにはしねぇよ]
男はそういい私の衣服を剥ごうとしている
[い、いや…!!!]
[や、やめて…!!!]
泣きながら抵抗するも男はそれに動じずどんどん手を動かしている
止める気配もない
[い……や…!!!]
[さ……わらないで…!!]
私がうるさく言うからなのかイライラし始めて
[うるせぇって言ってんだよ…!]
[っ…!!!!]
頬に熱い感触が走る
(いた……い……)
どうやらぶたれてしまったようだ
それに口の中が血の味がする
暴力を受けた瞬間
怖い怖い怖い怖い怖い
嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌
頭の中で恐怖がループしている
またそういうことをすればもっと痛いことをされる
それが理解できてしまって反抗できなくなっていた
[言う事聞かねぇやつだな…]
[まぁいい……]
男はいつの間にかブラージャーに手を付け胸が丸見えになってしまう
[い、いや…………]
[へへ……]
[いい胸してるんじゃねぇか]
そう言い私の胸に触れようとしてくる
誰か
助けて
そう思っていたときだった