第5章 ※危機Ⅰ
とはいったものの
椿ちゃんと別れてから物陰から見られているみたいだ
先程から纏わりつくような視線を感じる
(…………怖い…)
足が震えてきた
体も寒気が走る
おじいちゃんに連絡したけど迎えにくるまで少し時間がかかるそうだ
すぐ駆けつけるとは言ってくれたけど
(もしかして椿ちゃんといた時から……)
嫌な考えばかり巡る
実はこんなことは初めてじゃない
だから帰るときは必ず迎えをお願いしていた
椿ちゃんは私がこういう目に遭いやすいことを
知っているわけではないけど
[女の子だもの!当然送るわ♪]
なので帰るときは付き添ってくれていた
最近そんなこともなかったので
(油断してしまった…)
椿ちゃんにお店に行かせなきゃいけないという事が頭にいっぱいでその後のことなんて視野に入っていなくて
私は自分のバカさに辟易せざるおえなかった
でもこのままだとまずい
ただでさえ暗い路地だ
彼なのかはわからないが格好の餌でしかない
とにかくこの状況を打破しなきゃ
リスクがあるけど動くしかない
(ここから離れてどこかに…身を…!)
(そうだ…!もう少し行けばお店に…)
そう思いお店を目指して走り始めようとした時だった
ぐいっと手を掴まれる
力が強いのか体ごと引っ張られて
[え]
私は暗闇に連れて行かれていた