第36章 ※嫉妬Ⅱ
[……ん?って……きゃ…]
[……ちゃん]
低い声が耳元に囁かれる
何かと思い声がしたから振り向いてみて見れば一瞬で彼の胸に引き寄せられる
[…ど…どうしたの……??]
声を聞いた瞬間心臓がおかしくなりそうなくらい鼓動が早い
どくどくと五月蝿くて彼に移してしまいそうなくらいだ
いきなり抱きつかれるなんて理由がわからない
どうしてなのか聞き返そうとするも
[………ん!?ちょっ……]
唐突に首筋を舌で舐められて口づけを落とされる
[ん……あ……]
[…………んあ…ふ]
[ちょ……]
辞めてと言おうとするも角度変えて何回もされてはこれじゃ跡が残ってしまう
見られたら虫刺されなんて誤魔化せないほど赤い時があるからどうしたものか
それにくすぐったくて仕方ない
[じ…条くん…………!]
大きな声で必死で叫ぶと止めてくれたものの
はぁとため息をつき
[…………ねぇ]
[ちゃんちょーじ達に構ってばかりでさぁ]
[俺ぇ…寂しいなぁ]
[じ、条く……ん]
(は、始まった…)
冷や汗が出てきた
言い方が悪いかもしれないが付き合ってからこんな風に甘えることが多くて
困るというわけではないのだが心臓がもたないというかその前に
(な、なんとかそらさなきゃ……)
この状態に入ってしまうと否が応でも長くなる
そんな予感がし
[あ、あのね…条……]
宥めようとした瞬間
[ねぇちゃん…]
[ちょ…………ん!]
もう遅かった
私の唇は彼に奪われていたのだから