第34章 告白Ⅱ
これが私が彼に抱く本当の気持ち
(やっと言えた)
胸のつまりが取れたような気分だ
言葉に熱がこもったせいか早く喋りすぎたのが否めないけど
(でも)
これで解決というわけではない 彼がどう感じどう思っているか分からないから前みたいな気持ちを抱いていればいいのだけど
(………)
(嫌だった…?)
私が好きだと言った後彼の表情が髪に隠れて読み取れないからかそわそわして落ち着かない
もしかしてとある懸念が襲い言葉にしてしまう
[………ごめん迷惑だったかな]
視線が泳ぐ まっすぐ見ていられない
私の思いは彼にとって重荷になってしまっていたのだろうか
だよね告白して気づくなんて 今更すぎるもの
(辛い…)
心が抉られるような痛み 絶望
(どうしよう)
思った以上に心にきているのか目に涙が沢山溜まってきてしまった
泣いている場合じゃないのに 私
(止まってよ)
悄然としてうつむく
前を見るのも辛くて仕方なかったから
もう無理なのかな そう思っていた時
[ちゃん]
[………?え?]
(……?何これ)
彼の声と同時に腕を引き寄せられぎゅっと抱きしめられる
息がしづらいほど強く 強く
[じ、条く……]
耳元で
[………迷惑なんてそんなことない]
[こんなに嬉しいことはないよぉ]
吐息のような囁きにブルリと身が震える
彼が私の思いに嬉しいと言ってくれたのだ
(でも…こんなに近くで)
(は、恥ずかしい)
思わず身が強張ってしまうし体が熱くて仕方ない
それこそ火傷しそうなほどに
彼の思いに応えたくて背中に手を回す
[……ぁ私も…そう言ってくれて嬉しいよ]
[…………っ]
[俺ぇ…もう駄目かと思って離れようとしてたぁ]
[ちゃんは俺と一緒にいないほうがいいかもなぁって…]