第33章 決意Ⅰ
[十亀条Side]
[はぁぁぁ〜〜……]
[おい…十亀のやつまたため息だぞ…これで何回目だ?]
[そうだねぇ……大丈夫かな…?十亀]
[まぁ…原因は綺麗なさんのことだろうな…]
[しっ!有馬聞こえるって!]
言ったら有馬ぁどうなるか分かっているよねぇ
俺なりの視線を送ると
[……?どうしたんだ稔、雪成…?]
[い、いや!なんでもないよ!]
[そうだ…!なんでもない!]
言っちゃ駄目だと感じたのか怯えている
前にいる鰐島はぽかんとしていて何が何だか分かってないようだ
無理もない あの時丁度いなかったし
(はぁ〜…)
誰かに構っていられる余裕が今はなかった
正直言うと振られるなんて思ってなくて
勝手だけど
(両思いかなぁなんて思っていてさ)
彼女も俺に対してそう想っている節も見えたし
せっかくちょーじに背中を押してもらったのにこのざまかぁ
ちょーじも罪悪感があるのか
[ごめんねぇ…亀ちゃん……俺余計なことしたみたいだな]
とちゃんがいなくなった後しゅんとしながら申し訳なさそうに謝っていた
逆だ
俺が余計なことをしてしまったんだから
その後そんなことないって必死に言ったんだけどぉ今もあまり元気なさそうだ
ちゃんに会えていないのもあるのだろう
姉のように慕っているから
佐狐もそんなちょーじのことを心配しているのかじっと見てくるしねぇ
(……ちゃん)
覚悟をしていたとは言え
やっぱり彼女から離れるべきだろうか
断わられるとどうしたらいいものか分からない
けれど彼女の幸せを願うなら
(このまま引いたほうがぁ……)
いいのだろうか
それで
でも答えがでてしまっている
だったら尚更
[おい 条]
鰐島が声をかけてくる
考え事をしていて近くにいたのが気づかなかった
[んぅ?どうしたのぉ鰐島]
[お前の携帯なってるぞ]