第31章 出会いⅣ
[お〜い椿野!!]
[おい!梅宮!邪魔してんじゃねぇのか]
[うん?何がだ〜?]
[お前な…はぁ〜…]
カラッとした大きな声
白髪をオールバックにしてブンブンとこちらに手を降っているニコニコとしていて笑顔が特徴的な人と
あの白髪の方に怒っているというか呆れていると言うべきか夏祭りの時助けてくれたあの人はもしや柊さんではないだろうか
梶さんに御礼の時改めて聞いてみたら間違いなかったはず
(え?ど、どうゆうこと?)
(って…うわ…もう目の前にいる……)
いつの間にか身長の高い二人に囲まれてしまう
あまりの咄嗟の出来事に目をパチクリとさせてしまう
なんだか私が仕留める獲物のように見えてきた 怖い
涙なんて何処へやら一体なんのことだか分からず混乱してしまう
すると
[やだ!梅と柊じゃない!]
[どうしたのよ!急に]
椿ちゃんも来るなんて思わなかったのが私と同じ反応をしていた この感じだと予想外だったのかもしれない
[いや〜悪いな!!]
[あら全然大丈夫よ!梅!どうしたの急に?]
(もしかして……?)
間違いない梅と呼んでるということは
彼は梅宮さんという確かボウフウリンの総代の方だ
総代 リーダーのような事をしている方だと聞いていたけれど椿ちゃんの言う通り柔和な方に見える
(とても優しそうだな…)
椿ちゃんが尊敬するのもわかる気がする
いつも話を聞いていただけあって会ったこともないはずのに妙に安心していた
[実はだな〜…………っと]
[悪ぃ!取り込み中だったか!?]
[……俺は言ったぞ梅宮]
[悪ぃ!]
[そんな!梅!私も言わなかったもの驚いてしまって…!]
(あ…)
どうやら私のことは気づかなかったようだ
無理もない私も挨拶するべきだったのに呆然としてしまっていたのだから
挨拶してもいいものか
椿ちゃんの方をちらっ見ると通じたのかぱちんとウインクをして
[じゃあ梅♪紹介するわね♪]