第30章 発覚
[え………]
気持ちを伝えるって条くんに
そんなのいいんだろうが彼に対してあんな断り方をしておいて
不安がポロッと口に出てしまう
[…遅くないかな…それにあんな去り方したし]
[う〜んまぁ確かにやってしまったけれど連絡先あるんでしょ?メッセでも送ってみて再度会うとか?]
[それに……]
[あーしが見ている分彼に対してとても温かくて情熱的な思いがあるように見えたもの♪]
[気づいたなら尚更伝えなきゃ♡]
[つ、椿ちゃん……!]
からかってる訳じゃないけれどやっぱり恥ずかしい
この思いに自覚したから余計に
今からでも十分やり直せる 彼女はそう言いたいんだろう
小心者の私にとっては無理難題すぎる案件なのに
[………私年上だよ?]
[あら 年上だろうが関係ないわよ♡愛には]
[……いじめられた過去あるし]
[それを受け入れてくれるんだものいいじゃないの器が大きい証拠よ♪]
[それ……]
[]
[大丈夫よ]
ああ
こうネチネチ言っても仕方ないのに不安なのだ
心配なのだ 怖いのだ
こんな私を受け入れてくれるのか本当に
条くんが嫌になるんじゃないかって
穏やかで格好良くて私の
(好きな人)
言葉にされたらわかる
私本当に彼のこと好きなんだ
考え出すと胸の高まりが止まらない おかしくなる
意識しだら余計に酷くドクドクしだして
条くんをそれだけ想っているからこそ怖いのだ
今更気づいた女が告白して拒否をされることが
[…気持ちはわかるわよけど]
[思いっきりぶつかることも必要よ]
[一歩踏み出してご覧なさいな]