第29章 苦悩
涙が溢れそうだそれにもう
(無理だ)
息苦しいのを隠すようにうずくまる
ああ私こんなに辛かったのか涙が出てしまいそうになるほどこんなにも思い詰めて
それほど私は彼に
(嫌われたくなかったのね)
人間なら誰しもある感情だ
人と付き合っているなら尚更余計だろう
彼 条くんに嫌われたくなかったのだと
けれどこれまでとは毛色が違うかもしれない
誰に嫌われても彼だけには嫌わたくなかった
友達から嫌われても何をされたとしても
私は彼に付いていきたいと
(あれ)
胸にパズルのピースでもはまったかのようだ
なにこれ
私何を思っているの こんなのこんなの
(まるで)
ぐるぐると思考する
もう一歩まででかけているのにその先は中々でてこない
ああ
辛い
もう嫌
涙もするりと出てきてしまう
そこからはボロボロと沢山大雨でも降っているかのように止まらない
服が水滴で埋まってしまいそうだ
(もう)
(どうにでもなってしまえばいい)
ああ
あの時と変わらない
解決なんてどうでもよくて私なんてというマイナスの考え
いじめられた時あまりのショックで屍のように何もできなく中学生の時のようにそっくり いや同じだ
こんなんじゃいつまで経っても変わらない
けれど今はそんなことを考える余裕もなかった
[……………っ……]
つい唇を歯で強く噛んでしまう
出血でてしまいそうなほど酷く 酷く
椿ちゃんにせっかく相談したのにこんなんじゃ
(こんなんじゃ)
あまりの自分の弱さに打ちひしがれていると
[]
[大丈夫よ]
[だから顔を上げて ね]