第29章 苦悩
[つ、椿ちゃん……!?]
びっくりしたまさか椿ちゃんが来たなんて思わなかった
連絡はとっていたけど会うのは数週間ぶりだ
あまりにもタイミングがよすぎて呆然としていると
[久しぶり〜!中々来れなくてやっとこれたわ〜!]
[本当ごめんなさいね!]
すぐさま駆け寄りぎゅっと抱きしめられる
私も彼女に会えると思わなかったから思わぬサプライズのようで嬉しくなってしまい
[そんな…来てくれて嬉しいよ…!私こそ中々会えなくてごめんね…!]
背中にそっと手を置く
久々の挨拶と声を聞いてホッとしたからなのか辛い気持ちも少し軽くなっているような気がする
彼女が来てくれたおかげと言うべきなのだろう
[あら♡嬉しい♪私もよ]
そう言って離れウインクをされる
相変わらず可愛らしくて素敵だなと思わず笑みが溢れてしまう
でも今はその元気がありがたくて仕方なかった
[元気そうで………………]
(…………………?)
(あれ?)
椿ちゃんが言いかけた途端怪訝な顔になる
おかしいどうかしたのだろうか
すると
[何かあったの]
思いも寄らない言葉がでてくる
自分としても笑顔でいたはずなのに彼女には見透かされていたらしい
[………え…な、なんのこと…?]
[普通だよ…!私]
必死に誤魔化すしかない
けれどいつも通りじゃないのはバレてしまいそうだ
普段なら話をするけれど今回はあまりそうしたくなかった
もちろん椿ちゃんからは何かあったら相談してと言われたし彼女ほど頼れる人はいないということもわかっている わかってはいるのだが
(………幻滅される)
その恐怖が私の心を支配している
親しい人であっても話したくないほど嫌なのだ
この闇は私を手放してくれないほど心に根強く息巻いているのだから
(…………私…)
話すべきなのかどうしたら良いのか考えあぐねているそんな時だった