第29章 苦悩
(…我ながらとんでもない行動をしてしまったな)
流石にまずかった
呼び止めたのを無視して駆け出したのは
後悔しても今更遅い
彼が後ろから追いかけてくれるような様子もなかったし丁子くんたちは別のとこにいたみたいだから鉢合わせることもなかった
まぁ私が居なくなったから大騒ぎだったかもしれないけど
(……………はぁ)
(何したいんだろな…本当)
これだとまるで追って欲しかったようにしか見えない
彼にあんな事を言っておいて何を期待しているのだろう
私は突き放してしまったのに
条くんが好意があったなんて未だに信じられないしこんな自分のどこが良いんだろうがわからない
(…………………怖い)
それに怖い 怖くて仕方ない
これ以上幻滅されたくなかった
私の過去を知れば知るほど嫌いになるのは目に見えていたから
いじめのことは受け入れてくれたけどあのことは受け入れてくるとは到底思えない
良くない方向に考えれば考えるほどため息の数が増えてしまっている現状になっている
[どうしよ………]
何気なく呟いてしまう
条くんと関係修復なんてできるのだろうかいやできそうにない
それに修復したとしても今まで通りいれる保証はあるのか
きりがないのだが考え始めると次々と出てきてしまう
それに
(私彼のことどう思っているんだろう)
それが漠然と心に残っているだからなのか答えも導き出せていない
どうすれば解決に向かえるのか模索していたそんな時
[フンフーン♪…………………って?]
[あら?…どうしたの?]
聞き覚えのある頼りになる声
椿ちゃんが声をかけに来てくれたのだ