第4章 成長
[とりあえずなにか食べましょ♪]
[お腹空いたわぁ〜!]
椿ちゃんがお腹をさすりながら早く食べたいような顔をしている
[ことはの作るものは美味しいわよ♡]
[え…?橘さんってここの…??]
[そうなんです]
[ここで働いているんです]
そういえば緑の爽やかなエプロンをしている
緊張していて全然気がつかなかった
(若いのにとても立派だなぁ……)
感嘆せざるをえない
メニュー表を渡され色々と薦められたものの美味しそうなものがたくさんあって迷ったけどおすすめはオムライスとのこと
だったのでそれを注文しようとすると椿ちゃんも同じらしい
橘さんが注文を受け取って厨房に向かう
そして二人きりになったところ椿ちゃんに話しかけられた
[そんなに怯えなくて大丈夫よ]
[ことはは信頼できる子よ]
[あーしが保証する]
(椿…ちゃん…)
どうやら見抜かれていたようだ
挙動不審なところがあったからだろう
椿ちゃんに私の過去を話したわけではないけど察してくれたみたい
[ありがとう…ごめんね]
[…ごめんねよりありがとうが聞きたいわ♡]
[うん…!ありがとう]
椿ちゃんの気遣いに感謝しつつ一呼吸おき
(信じよう…)
(……色々思う所はあるけど)
(だからここ)
(前に向かなきゃ………)
ことはさんと友達になりたい
私でいいのであれば ううん
私がそうなりたい
勇気を出して一歩を踏み出そうとしていた