第28章 番外編② 御礼
[梶蓮Side]
思ったより冷たかったがそれをかき消すほど甘みがあってお代わりしたいほどだったのはまずいい
それに食べていて口元に桃の食べかすに気づかなかったのは悪いとは思っているし取ってくれたのはありがたい ありがたいことなのだろうが
(………………………………)
(な…………な…………)
今何をされたんだ理解できなかったがもっと他にやり方あっただろうが
なんでお前がとってそれを食べるんだ
[…………な………な………]
ワナワナと震え始め心の中で思っている言葉と話している言葉が重なる
心臓がドクドクと脈動が高まり体が熱くて仕方ない
このままだと沸騰して気絶するんじゃあないかと思うほどだったのだが更にこいつは
熱でもあるのかといい更に距離を詰めてきたのだ
俺のは額に自分の手を置いて熱があるかどうか確認して距離を更に詰めてくる
まずいまずい
このままだと俺はこいつに
だから
[お前………まず離れろ…………!]
何をするかはともかく言うしかなかった
離れないと俺がおかしくなりそうだったしこいつも気づいた時俺のようになることは目に見えていたから
やっと言われて気づき案の定アワアワしている言わんこっちゃない
だが次第に気になり始めるもしかして男に対してこいつはいつもこうなのかと俺以外にもしているのかと
[…………わざとやってんのかそれ]
声に出さなかったと思っていたがふと呟いてしまっていた
(……………あ)
しまったと気づいた時にはもう遅い
あいつはすぐさま土下座をし謝りだしたのだから