第28章 番外編② 御礼
[梶蓮Side]
そこからは抵抗もできず家に連れてこられた
あのばあさんとんでもねぇ強さだな油断できねぇあんな速さ初めてで
(………下手すると柊さんより強そうだな)
[えーと………麦茶どうぞ]
[……………………あぁ]
考えている間に麦茶を置かれる
来たのはもう仕方がないとして正直言うと気まずくて仕方ない
別にこいつにしたことはお礼を言われるようなことじゃない
言い方は悪いかもしれないがボウフウリンとして活動していれば何度かあることだ
まぁ確かに助けた奴らからは何かしらお礼として貰ったりはしているが
ふと
[あの……桃ってお好きですか…?]
沈黙が耐えきれなかったのかそれとも俺が凝視していたからなのかこいつから話しかけられるなんで俺の好きな食べ物が出てくるのか謎ではあったが
一瞬見透かされたのかと思ってヒヤッとしたものの丁度小腹が空いていたのもあったから
[食べる]
そう返事をしてしまっていた
こいつがそう言ってくれているから食べてみるかともそういう気になったのかもしれない
それを彼女が聞いた途端顔が晴れやかになりとても嬉しそうに喜んでいる太陽のような眩しさを俺に向けて放って
(そんなに喜ぶものか?)
疑問には思ったもののこいつの嬉しそうな表情を見ると心が和やかになる
ずっとその顔を見てみたいほど彼女の笑顔は魅力的だった
だがその後はとんでもなく心臓がドギマギとしていた
何故なら
[ついてますよ梶さん]