第28章 番外編② 御礼
[梶蓮Side]
(……………)
(帰るか……)
ばあさんにそう呼び止められたものの俺は別に会う気がない帰ろうと歩もうとするも
(………アイツに会えるのか)
何故かに会えるかと思うと足が止まってしまった
(は…………?)
(俺…何を考えて…?)
自分でも分からないそうこう考えている間に
[梶さん……!!]
声が聞こえるどうやら走ってきたようだ
そして俺に駆け寄ろうとすると足がよろけて転びそうになる
(危ねぇ!)
体がもうとっくに動いていた
あいつは目をつぶっていて前を見ようともしないから抱きとめるしかなかったがすると痛くないおかしいと思ったのかが顔を上げる
(近けぇ)
橙色の瞳が俺を捉えてくるどんどん距離は縮まり鼻がくっつきそうだ
このまま俺を見てくれればいいのに
(…………俺は)
[あら〜……大胆ね♪]
俺達の間から声が聞こえるしかも至近距離で
一瞬何を思っていたのか吹き飛んでしまっていた
(…………っくそ……)
どうやらこの光景がばあさん達にも見られていたようだ呆気にとられていると今度はとんでもない一言を言われる
まさか家に来いだなんて
(はぁ?)
またもや呆然としてしまう今日はおかしな日だ色々なことが起こりすぎている
寄るつもりなんてなかったのにまさかのトントン拍子で話が進んでしまい
(これは…………)
帰らせる気がなさそうだ本当にこれはまずい本能が訴えかけてきている
そしてこの様子だと着実に俺は家にお邪魔することになる
そう思い気配を消し逃げようとしていた時だったのだが
(…………っ………なん……)
(つ、強ぇぇ…………)
まさかあんなに力強く引き留められるとは思いもしなかった