第28章 番外編② 御礼
(な、なんてことを……)
頭を下げながら悶々と巡っている
恩人に向かって私は本当に何をしているんだろ
弟ぽく思ったからなのかわからないただ自然にそうしてしまっていた
ドジといえば良いのか分からないがどうしたら治るんだろうかこの私のお馬鹿さは
(はぁ〜………どうしよ………)
顔が上げれないまま沈黙が広がる
その静寂を断ち切るように
[…………おい]
[頭上げろ]
(……………え…)
正直言うと責められるものだと思っていたものだからその発言に驚きが広がる
梶さんがそういうことをしなさそうだと言うことは理解はしているのだが何か言われてもおかしくはないはずなのに
言われた通り恐る恐る頭を上げるけれども怖くて顔が見れないまま
[あ…あの………ご、ごめんなさ……]
絶対怒っている
すぐ謝らないといけないその考えしかなかったものだから即座にまた謝ろうとすると
[別に…そこまで謝れとは言ってねぇよ]
[ただ…近けぇって言っただけ…のつもりだ]
[怯えさせたら………その……悪りぃ………]
頭を掻きながら申し訳なさそうに謝る
まるで梶さんが悪いことをしていたかのようにそんなことはない
私が距離感というものを考えていなかっただけ
[……………で、でも……]
本当にそうなのだろうか未だに信じていいか分からずまた言葉を投げかけてしまうも
[……………はぁ……]
[…………俺は言葉足らずなところがあるからそう見られてもおかしくねぇ]
[こんな性格だから周りから怖いって思われてる]
[………だから………その]
[き、き…気にするな]