第28章 番外編②　御礼

（梶さんが………？）

（……………本当に………？）


［…………………］

まさか来るとは思わなかったから信じられなくてポカンとするもつかさず

［ほら！早く！逃げられちゃうわよ！］

［え……？逃げられ…？わ、わかった！行くから！］

おばあちゃんすごく興奮しているまるで肉食獣が獲物でも見つけたみたいにどうしたんだろうか
というか逃げるってどういう意味なんだわからないよおばあちゃん　私理解できなくて本当に困る
とにかく知らせに来てくれたのはすごいありがたい
ケースなんて後回しだ
私もこの機を逃す手はないと思い走り始めた


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［あ、よかったわ！いてくれたみたい］

どうやら鶴の湯の出入口付近に邪魔にならないように待ってくれているようだ
特徴的なヘッドフォンをして音楽を聞きながら飴を口の中に入れコロコロと転がしている
間違いない彼だ　お祭りのとき助けてくれたあの人


（よかった………）


ホッとしたのが正直な心情だ
お礼はすると言ったものの来てくれるか不安だったしそれにあの時色々と迷惑ばかりかけたから顔もあわせたくないかとばかり
こうして会いに来てくれて嬉しいと幸せを噛み締めているのも束の間口を開き



［………梶さん……！］




［…………………………！］




私は彼の名前を呼んでいた