第28章 番外編② 御礼
[〜これお願いね瓶ラムネ〜]
[あ うん!おばあちゃん!]
[よいしょ〜…と]
(さて)
瓶ラムネのケースはこれで全部持ってこれたようだ
結構うちでは人気商品で特に夏は売れる条くんも飲むしね
冷やさないとまた購入する人に間に合わないだろうから早く入れないとバケツに入れた氷水に次々と入れ始める
水の冷たさを気持ちよく感じながらふと
(…………梶さんどうしてるかな)
怪我してもらった所を助けてもらって二週間くらいになるだろうか
条くんとの一件は解決したものの私を助けてくれた恩人梶さんはさっぱり姿を現さない
それだけ忙しいということなのだろうがボウフウリンも大変だとは聞いていたけど
(無理もないよね…それに…)
携帯の番号でも渡せればよかったんだろうけどあの時私は鶴の湯に来てと言っただけでそこまで頭が回らなかったのだ
毎度天然?ゆえと言うべきなのか色々やらかしてばかりで恥ずかしい
そしたら連絡かとれてこちらから行けたかもしれないのに
(………ってあれ?)
なんで気づかなかったんだろうこんな簡単なこと
椿ちゃんに聞けば話は早いかもしれないきっと知っているはずだから後で連絡してみよう
(……とよし)
まずは仕事を終わしてから考えよう他にもやらなきゃいけないことも山積みだし
瓶ラムネも氷水に浸けておいてしばらくはこれで放置でいいだろう
(これでオッケ〜と)
ケースを片付けなければと前屈みになろうとした時
[〜!]
大きな声で私を呼ぶ声がする
振り返るとおばあちゃんだ 少し興奮しているように感じる
急いで走ってきたのか息が荒いようだ
[………?どうしたの?おばあちゃん?]
仕事のことで手伝ってほしい感じには見えない何かあったのだろうか
恐る恐る聞き返すと
[はぁ…はぁ……]
[こ…この前助けてくれた子今玄関に来てくれてるのよ!]