第26章 緊張
[十亀条Side]
(あ)
スマホを見るとそろそろちゃんと待ち合わせの時間だ 行かないと間に合わなくなる
(……それにしてもぉ)
彼女がオリに行くと聞いた時は本当に驚いた
本気で言ってくるとは思わなかったから
俺は反対だった
丁子にも散々言ったけど男ばかりの所に連れて行くのはいくらなんでもと
けどいくら言っても中々聞き入れてくれず結局来てくれる話になってしまった
(………………大丈夫だろうか)
来てくれると返事してくれたとは言え
ちゃんにとってトラウマを呼び起こす可能性があるのではないか
考えすぎなのは重々承知だ
みんなはいい仲間だし信頼はしているただ彼女は
嫌がるんじゃないだろうか
帰ってしまうんじゃないだろうか
不安がよぎることばかりだ
ちゃんのことになると心配でたまらなくなる
(けどぉ)
俺がいるから大丈夫だと
それほど俺を信頼してくれていると言うことだ
聞いたら嬉しくてたまらなくてなんとか顔は取り繕ったとは思うがかなり間抜けな表情だったに違いない
(っと……やばいなぁ…時間に遅れる)
考え事をしていたらもうこんな時間だ
いい加減出なければ
屋上で寝そべっていたものだから起き上がるとキィと扉が開く音がする
タイミングよく丁子が来たようだ俺に気づいたのか声を掛ける
[亀ちゃん!]
ちゃんが来るからかいつもより楽しそうな表情をしている
まぁそれだけ来て欲しかったということなんだろう
[あぁ〜ちょーじぃ]
[俺ぇ迎えに行ってくるねぇ〜]
[あれぇ?もうそんな時間なんだぁ!]
[うん〜そうだよぉーじゃあ行ってくるねぇ]
[は〜い!じゃあ待ってるね!亀ちゃん!]
そう言い駆け足で階段を降りていった