第26章 緊張
いよいよ約束した当日
厚手のカーディガンに袖を通していると携帯からピロンと着信音が鳴る画面を覗き込むと条くんのようだ
(そろそろ着く………)
(や、やばい…!)
(わかったよ〜よろしくね…っと送信…!)
少し冷えた手でスマホを弾き返信する
だと尚更急がなければ
スマホが入るくらいの小さめのショルダーバッグをかけて階段を降りる
するとちょうどよく
[あら〜もう来るの?早いわね]
[……………行くのか]
[あ…うん〜!もう行くね…!]
おじいちゃん、おばあちゃんには条くん達と出かけてくると少しホラを吹いて話をした
何故かはわからないがそれを聞いた途端いい顔をしなかったが(特におじいちゃん)
おばあちゃんに至ってはデートねなんて言うものだから余計に顔が恐ろしいことになっていたけど(今もとんでもない)まぁそれは置いておいて
[じゃあ行ってくるね〜!]
[…………気をつけていくんだぞ]
[気をつけるのよ〜!]
すぐ来るから外で待ってるべきだろう
引き戸を開け外に出ると秋風が吹き抜ける
暖かい格好してきたけど寒くて仕方ない早く条くん迎えに来てくれないだろうかそれと同時に
(…………緊張するなぁ………)
彼ら 条くん達がいるから大丈夫だろうけど大勢の人に会うからだろう私自身元々緊張しやすい性格+人見知りだから余計に心臓がバクバクしている
あれだけ堂々と言っておいて情けない話なのだが
(自分で決めたことなんだもの……)
(大丈夫………少し落ち着かなきゃ…!)
心を鎮めるため深呼吸をしていると
[ちゃん〜]