第25章 オリへ

（怖い）

何だろうこのゾワゾワする感じは
彼の温厚な性格とは程遠いこんな一面があったんだろうか
まるで氷のように感じる

［……………………］

丁子くんも驚いているのか分からないが先程とは打って変わり押し黙るというかしょんぼりしている当然かもしれない私だって怖くて縮こまりそうなくらいだから
彼から唐突に


［ちゃん］

［本当に大丈夫なんだよね？］


［……………………………］


（………条くん………やっぱり）


心配なんだ彼は
さっきもだけれど丁子くんに乗せられて無理してないか男だらけの所に行くからなんだろうそれもそうだ無理もない
もしかしたら弟のようなものだから姉が手を出されるものだと思って余計になのかもしれないが
けれど私は大丈夫だと勝手に思っている

なぜなら


［大丈夫だよ　私行ってみたい］


［だって条くん守ってくれるでしょ？］


痴漢のときやお祭りのときののようにきっと彼は守ってくれる
誰が言おうと条くんは信頼できる人だから迷うことなく発言していたそれに彼の友達がいる所だそんな悪いことをする人達ではないだろうから
少し挑発した物言いになってしまったがそれを聞いて彼は目を見開いたものの


［…………そっかぁ……］


［はぁ〜〜〜………］


安心したのか頭をガシガシ掻きながらしゃがみ込む
この様子だとそれほど気を張り詰めていたらしい真面目だから沢山考えてくれたようだが
息を整えた後立ち上がりながら


［ふぅ〜………］



［わかったよぉ……ちゃんが言うなら〜………］




［一緒に行こうぉ］