第25章 オリへ
(言えた……けれど)
どう反応するのが気がかりで二人の顔が中々見られない
するとゆらりと丁子くんが前に来て
[え!本当!??お姉ちゃん!!]
[わっ……!丁子くん……!]
(ほえ…!?)
突然私の両手を小さくて暖かい手が掴む
先程より一層キラキラした瞳で私を見つめてきてどうしたものか分からず呆然としていたら
[わ〜い!やったー!]
[来てくれるんだね!!お姉ちゃん!]
嬉しいのかぶんぶんと私の手を振りまくる
まさかそんなに喜ぶとは思わなくて拍子抜けしてしまいついポカンと口が開いてしまう
(い、いけない…また間抜けな顔にまたなっている)
[あ…え…と]
[う、うん………今すぐというわけてはないけど]
返事したのはいいものの流石に今日は無理だ
それに丁子くん側もだし私とも予定を合わせないと
あちらにも都合があるだろうから
[今日でなくて明日!?それとも明後日!?]
[俺お姉ちゃんが来てくれるならいつでもいいよ!]
[それとも〜!]
[あ、後ね〜!会わせたい人もいて〜…!]
(あ…これは……)
始まってしまった興奮しちゃうと話を聞かなくなる癖というかなんというか悪いわけではないけれどこうなってしまうと止められないいや止まらない
(う、う〜ん……)
またもや頭を悩ませつつ落ち着かせようとする
[え、え〜とね………]
[まずは………]
話聞いてくれるかな不安に思いつつ話しかけると
[ちょーじ]
[待って]
(え?)
突然酷く冷たい声が響く
誰が言っているんだろうでもこれは間違いなく
(条くん)
彼からそのような声を発せられるとは思わずつい見つめてしまっていた