第25章 オリへ
[だってぇそれはちょーじぃの都合でしよぉ?]
[ちゃんのこと考えてるのそれぇ?]
[知らない人ばかりだしぃちゃん萎縮すると思うよぉ]
彼は何か苛立っているのか言葉に少し棘があるように感じるもののこの様子だと私のことを思って言ってくれているようだ
私を慮ってくれているように感じて嬉しくて胸がホワホワする
けれどその発言が丁子くんは気に食わなかったらしく
[え〜〜!また亀ちゃんそんなことばっかり!]
[お姉ちゃんは俺達が守ればいいしでしょ!]
[そんなん俺やだ!!]
先程までの態度とは打って変わり子どものように駄々をこねてぷいっと顔を背ける
さっき連れて行けそうと思っていたのに反対されると思わなかっただろうから
(…………どうしたら…)
沈黙が広がりシーンと空気が静まる
丁子くんはそっぽ向いたままだし条くんも同じ感じだ
なんだかこの前もこんな感じのような雰囲気になったような気がする
(………うーん……)
(これは…決めるしかないよね…)
不安しかない反面もしかしたらチャンスかもしれない
獅子頭連での条くんがどんな感じなのか見れるということだろうからそれに信頼できる彼らもいることだ何かあっても庇ってくれるだろう
(……………見てみたい………)
(私が知らない彼を)
そう思い始めたからか気になって仕方なくなってきた
確かに知らない人と話すのは怖いけど大丈夫だと思うから
その根拠はないが
スルリと口を開き
[条くん……丁子くん…]
[私…………行こうかな]