第25章 オリへ
[……………そろそろ行く]
羊羹以外にもたくさんのお菓子が渡されて両手が一杯だ
こんなにいらないんじゃないかと思ったけどボウフウリンの方達にもお渡しするかもだしいつもお世話になっているから迷惑かもしれないけど少しばかりのお礼だ
おばあちゃんなりに気を遣ってくれたんだろうけど
[あら〜…もう……]
[またね〜梶ちゃん〜!待ってるからね〜!]
[…………………]
おばあちゃんは名残惜しそうにして手を振る
振り返りはしないものの彼のことだなんだかんだ言いつつ来てくれるだろう
けれど
[梶さん……!]
[また来てくださいね…………!]
この言葉は言わなきゃいけないと思って
確かに今日は色々あったけど彼にはまた来て欲しいから
この一言を聞いて何を思ったのかピタッと歩みを止める
[…来れるとき来る…]
[……………はい…!待ってますね…!]
(よかった………)
答えてくれた 嬉しい
それが聞けただけでもよかった
その後は梶さんの背中が見えなくなるまでその場を立っていると
[ふふふ…… ったら……]
[梶ちゃんと条ちゃんどっちにするの?それとも椿ちゃんなのかしら♪]
[は?え?]
何を言い出すかと思えばまたかおばあちゃんよ
今日は言い方が悪いかもしれないが大暴走してると言いたくなってしまうほど突っ走っている感じがあるような
思わずタジタジしてしまう
[な、何言ってるの?おばあちゃん…?]
[だって〜あんなにモテモテなんだもの〜…鈍い私だって分かるわよ〜]
[もしかして自覚ないのかしら?ふふふ♪]
[え……ど、どういうこと……??]
すごい詰め寄ってくるこれは怖い
逃げるが勝ちだ
[え…え〜と……私……掃除が……]
少しずつ逃げようとそろそろと移動しようとしたその時
[どうしたのぉ?ちゃん]