第25章 オリへ
[お待たせ〜!梶ちゃん……!って…………]
[あら………お邪魔だったかしら…?]
[え?]
まさかの人物の思わぬ一声にはっとする
(……………って)
(近………い…)
自分達が何をしていたのかうやく気づき顔をそらす
[あ………ご、ごめんなさい!!]
[…………………っ……悪ぃ…]
私ったらなんてことを 梶さんを上手く見れない
どうやら彼の方もそうなのか中々目を合わせてくれなくて
無理もない こんな事なったら気まずくて仕方ないもの
私達が黙り込んでいるのが耐えられなかったのかおばあちゃんからとんでもない一言が放たれる
[なんだか…おばあちゃん本当にお邪魔虫みたいね…]
(はえ?)
どうしてそうなるの おばあちゃん
意味が分からないけど必死に弁明する
[へ…………?あ……?そんな事ないよ…!]
[……別に…………]
彼も上手く合わせてくれたみたいだけどおばあちゃんの視線が怖い
まるで怪しいと匂わせまくりの視線がじぃと感じる
見られてしまった以上仕方ないのだがそんなに見ないで欲しい恥ずかしいから
そのせいかおばあちゃんの顔が見れずにいると
[……………まぁ……いいかしら…]
私の願いが通じたのか察してくれたのかどうやら見逃してくれたようだ
もう蒸し返さないで欲しい 頼む祖母よ
[あと、これ梶ちゃん!遅くなったけど]
[昨日羊羹もらったのよ…!梶ちゃん好きかしら?]
[………まぁ食える]
[あら本当!?よかった……それでね…]
おばあちゃんが梶くんと話に花を咲かせているものの気が気ではなかった
彼がどうして顔を近づけてきたのか
私もそれに流されたのもよくなかったのだろうけど
その理由がわからず少しモヤモヤしたのは私だけなのかもしれない
その気持ちを抱えたままやり取りをみているしかなかった