第25章 オリへ
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何故なのおばあちゃん
どうしてそんなに早く走れるんだマッハでも出してるのかこれ
梶さんを見てみると呆然としているようだ
突っ込みどころが満載だけどともかくこの空気をなんとかしないと
[え…え〜とごめんなさい…]
[おばあちゃんが先走ってしまって……]
これを見て驚くのも無理はない
私もなんて言えばいいか分からずアワアワしてしまうが
[……………別に]
[…お前が謝ることじゃないだろ]
そう言いつついつの間にか舐めていた飴が切れていたらしく新しい飴を剥いて口の中にいれる
気にするなとでも言いたいのだろうけど
私はまだこの言葉の意図がわからず呆れたと思ってしまって
[…………そうですよね…]
[ごめんなさい………]
(あ)
少しナーバスになっていて謝ったあとにようやく気づく
謝るなと言われたのにまた謝ってしまった
本当口癖みたいなものになっていて中々抜けない
(………なんだか今日は全然駄目だな)
しゅんとしている表情をしていたのだろうそれを見られてしまい
[お前な……………]
[……………ったく]
(ん?)
どういうわけか頭を掻きつつ近寄ってくる
怖い
何されるんだろうわからなくて思わず目をぎゅっと瞑ってしまう
すると
(あれ………?なにこれ?)
頭に暖かい感触が広がっている
おそるおそる目を開けてみると梶さんの手が私を撫でているようだ
まるで猫でも触るかのように愛しむ手つきで
(え?え……?)
何がなんだかわからず撫でられて唖然としていると
[お前 何でも謝るな]