第25章 オリへ
[梶さん……………?]
驚いてしまった
まさか梶さんが来てくれるなんて
確か私がお礼をして家に来てくれたとき以来だ
まぁその話は追々するとして
気づいてくれたのかこちらに顔を向けてくれる
[こんにちは梶さん…!]
[…………………ああ]
挨拶すると少し頬を赤らめながら答えてくれる
何故か私に会うと頬をあからめるのはどうしてなんだろう
疑問に思いつつも返事をしてくれてほっとする
[あら]
[梶ちゃんねぇ…果物くれたのよぉ]
[やる]
そう言って私にたくさん果物が入っている袋を渡してくる
リンゴに梨 大ぶりなものがゴロゴロとあるとても美味しそうだ
[え……こんなに…いいんですか…?]
[この間の…礼だ]
飴を口から離し照れくさそうにして
助けてもらったのだお礼をするのは当然のことなのに
[ありがとうございます……!]
[別に………………]
お礼を言うとふいっとそっぽを向かれる
また頬の赤みが増して今ではりんごのように顔が真っ赤
けれど梶さんは不器用だけれど誰よりも優しいから
少し落ち込んでいたけどその優しさが身に沁みて嬉しかった
[あらあら〜ったら…]
[罪づくりねぇ〜………]
[?]
何がボソッと言ったような気がするけど聞こえない
おばあちゃんはニコニコしながら私達2人を見つめているようだった
[このまま帰すわけにもいかないわ…]
[待ってね…!梶ちゃん…!]
[うちも昨日もらったお菓子があってね〜!]
[………おい…!別に…俺は…]
梶さんの制止するもののおばあちゃんはまた瞬く間に走り去っていったのだ