第25章 オリへ
[………?]
[…………!?]
[わ…え………?]
[大丈夫……?なんだかボーとしているけど]
[ご、ごめん……大丈夫…!だから…!]
[そう……?悪いんだけど脱衣所の掃除してくれる?今お客さんちょうどいないから]
[は〜い!]
(またボーしていたのか……)
昨日の夜条くんたちが帰った後寝れなくて言い訳にするつもりはないけど今日ずっと空回りだ
仕事をしていてもケアレスミスが多くて何をやってるんだろう呆れるという言葉がたくさん出てきてしまう
(はぁ〜…)
条くんの言葉が頭から離れない
前も同じ現象に悩まされたけどまた今回もひどい
彼のことになるとなんて言えばいいか思考がうまくまとまらなくなるしそれに心臓がバクバクする
(なんだろうな…これ)
私 条くんのことどういうふうに思っているんだろう
これってやっぱり
(………いけない…また…)
(それに今は………)
仕事だし集中しないと
後で考えることにして掃除機をかけ始める
[あら〜……ちゃんじゃな……]
(ん?)
おばあちゃん誰かと話しているんだろうか
玄関口から音がするものの掃除機の音が大きいからか聞こえづらい
(もしかしたら…条くん…?かな…?)
何を話しているのか分からないけど誰なのか気になり始めてしまいそわそわしてしまう
一人できているんだろうかだと昨日の話を少しできるのでないだろうか
(少しだけ…)
気になって仕方ない
電源を切り倒れないようにそっと置いて玄関まで小走りする
(…………ってあれ…?)
白いヘッドフォンに飴を口に咥えているあの姿は
[……………梶さん………?]
私の予想は外れそれは思いがけない訪問客だった