第4章 成長
[十亀条Side]
ちゃんと会ってもう数年
俺は16歳になった
ただでさえ体も大きかったのにガタイも良くなり身長も伸びちゃんのことも見下ろせる高さになった
俺と5歳差
そんな歳の差も気にならないほど年々彼女は綺麗になっていく
周りの人も振り向くほどでその姿は百合のように美しい
本人は全く自覚がないようだが
反対に
俺はやっと自覚しはじめた
彼女が好きだということに
一人の女性として
このモヤモヤして熱くて滾るような想いは何なんだろうとずっと思っていたけどようやく理解できた
(でも)
だからこそかもしれない
焦りが出てきた
どうすれば
どうすれば
元々人となれるのが苦手なのにそういう対象としてみられるのかって
それに彼女が俺の物になってくれるのかと
ぐちゃぐちゃだ
好きだからといって何がしたいかも分からないのに
なのに
なのに
(…………………)
恋をするってこういうものだろうか
苦しい
胸が締め付けられる
ちゃんの隣に俺はいたい
訳がわからない
だがこれだけは言える
俺の隣に彼女はいないのだとしても
彼女に拒否されても
たとえどういう結末であっても
彼女の危機には駆けつけたいと