第24章 番外編➀ 困惑
[はい…椿ちゃん…拭うね]
[…………っええ……]
[少しだけだから……我慢してね…]
水で濡らしたハンカチで唇を拭う
血が出ている割には傷は浅いようだ
(よかった…大した傷じゃなさそう)
少し遠回りだけれど風鈴高校近くの公園で一休みすることにしたのだ
ここにはたまにだけど椿ちゃん達と話したりすることもあってぴっと思い浮かんだ場所がここで
それに家に帰ったら色々とややこしくなってしまいそうだったから二人で落ち着いて話をしたかったというのもあったし丁度よかったようだ
[はい…あとは…大丈夫みたいだね]
少しお化粧がよれてしまったけど今回ばかりは仕方ない
申し訳ないとは思いつつ拭き終わったことを伝える
[ありがとう……]
[んん…いいんだよ!そんな…]
椿ちゃんの綺麗な顔に大きな傷がつかなくてよかった
本当にそれしか頭になかったと言ったらおかしいのだけれどでも本題はこれからだ
(ふ〜……)
(さて………っと)
椿ちゃんの座っているブランコの隣に座り一息つく
やっと落ち着いて話ができそうだ
話そうとしたその瞬間
[その………… …]
[あーし……………]
(あ これ)
謝るな そう確信したからか
[ご………っ〜〜!?]
[だめ]