第24章 番外編➀ 困惑
さっき謝る時離れられたから少しずつ歩み寄る
それに呼びかけたのに頭を上げる気配もない
自分を責めているんだろう
そっと優しく声をかける
[椿ちゃん……頭…上げてくれる…?]
[…………………………]
[……………]
私の言葉に答えてくれたようでゆっくりと頭を上げてくれる
その表情は明るいものではなかったがけれどまずは顔を見れただけでも嬉しかった
私は両手で彼女の頬を包み込む
[………?]
[ごめんね 椿ちゃんこんなに悩ませて]
[私が言わなかったから…]
謝れば許してくれるとかそんな甘ちょろい考えをしているわけではないけれどちゃんと言わなきゃと思ったのだ
これじゃあまるで条くんの時と似たような感じだ
話し合わなきゃわからない
[………!何言ってるのよ]
[私が変に早とちりしちゃって…]
否定してくれる
本当に優しい
伝えていればこんなことにならなかったのだ
だからこそ
歩み寄らなきゃ
その前に
[その…場所を変えて話そっか]
[ここじゃ…ゆっくり話せそうにないし]
今のところ人通りはないものの時間の問題だろう
それに椿ちゃんの怪我もこのままだと傷ができて綺麗に治らなくなりそうだったので早く治療したいというのもあった
[……………そうね…]
コクンと頷いてくれる
(よかった…)
落ち着いて話せる場所ときたらここしかないと思い同意を得て歩き始めたのだった